Smoky life in Rochester

Rochester大学にポスドク留学中の日記。膠原病専門。

蓮舫さんどうでしょう

都知事選が七夕にありますね。私は成人してから一度も都民になったことがないので、都知事選で投票したことはありません。自分が生まれたときから石原慎太郎だと思っていたのですが、全然そんなことなくて90年代後半は青島幸男だったんですね。

蓮舫 都知事」なんて考えたこともなかったですが、いざ立候補してみると、国の設計をつらつらと語るほどのスケール感はないような気がする一方、他の政治家にはないスター性があって、そういう意味では都知事向きかもしれないと思いました。

しかし、蓮舫さんって、民主党政権のときをのぞけば、ずーっと野党じゃないですか。そうすると、時の権力を追及するオフェンス力はあっても、ディフェンス力は無いんじゃないかと勝手に思っていましたが、会見の様子とかみると、めちゃめちゃディフェンス力高いんですね。圧倒的落ち着きで見事に質問をさばいていて、あれ、現職さんでしたっけ?みたいなオーラすら漂っています。

東京都は杉並区長にヨーロッパのNPOでバリバリ活動やってた岸本さんが当選したばかりだし、世田谷区長もリベラルだし、なんだかんだでリベラル色を維持していますよね。せっかくなので久々にリベラルな都知事がうまれたらいいと思います。イギリスも、長らく保守党政権ではありましたが、ロンドン市長ムスリム系のサディク・カーンがやってますよね。

リベラルな都知事というと、70年代の美濃部亮吉まで遡ることになります。この頃から東京は人口密集が問題になり、生活空間を確保するための開発が進んでいきますが、まだ当時は住民の声を聞いて、行政が中心となってせっせと頑張る体制でした。それが、80年代に入ると、サッチャーレーガンネオリベラリズムと同調する中曽根さんの時代になって、規制緩和と民営化をすすめ、都市開発にも三井不動産などの大手デベロッパーが濃厚に参入するようになります。90年代のバブル崩壊後は、小泉さんの時代になって、小泉 x 石原の連携により、規制緩和を進めて「都市再生」の名の下に再開発が加速していきました。僕が麻布中学に入ったときにちょうど六本木ヒルズがオープンしたのですが、それ以降、◯◯ヒルズがどんどん増殖していますよね。

その延長線上に、外苑再開発問題があります。蓮舫さんもこの問題に何度か言及していますが、これも三井不動産マターなんですよね。三井不動産関連では、オリンピック選手村の跡地にタワマンを建てていますが、あれもとんでもない低価格で三井不動産に売却されたということで、住民が訴訟をおこしてましたよね。三井不動産のウェブサイトをみると、

「東京で再開発が行われる理由の1つは、国際都市としての競争力を高めるためです。アジア他国の都市が発展を遂げるなかでは、東京も「人や企業が集まる街」「物流の拠点となる街」を目指して、都市機能を高めていかなくてはなりません。」と、

堂々と書いていますが、何を一民間企業が我が物顔で自治体の方向性を語ってんねんと驚きました。そういう意味じゃ、今回の都知事選は、このまま再開発を強引に進めるのか、それとも美濃部都政の精神を取り戻して公共的な都市開発を目指すのか、というような構図でも捉えられるかもしれません。もちろん他にも、都職員の正規化を進めるとか、ほかにも良さげな政策を掲げています。


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