前回の記事を書いたあとに、三重県松阪市で救急車の有料化を6月から実施するというニュースがありました。
6月から1件7700円を徴収 救急車〝便利使い〟歯止め 救急搬送され入院至らずの患者 三重・松阪市(夕刊三重) - Yahoo!ニュース
が、これはいわゆる日本初の救急車有料化ではなく、救急外来での軽症患者に対して選定療養費を徴収するというもののようです。
「選定療養費 救急外来」などで検索すれば、いろいろな病院のホームページで同じような徴収方法が明記してあります。基本は紹介状なしで受診した場合などに徴収するものですが、病院によっては救急車で来た軽症患者からも徴収するようです。松阪市の基幹病院でもそれに踏み切るということのようです。日本赤十字医療センターのこちらのページがわかりやすいです。
前回の記事で紹介した論文にもあったように、救急搬送は消防枠なので、おそらく救急搬送そのものにチャージするのが難しいため、このような選定療養費というかたちで間接的に救急搬送にお金がかかるようにしているのかな、と思いますが詳しいことはよくわかりません。
ただ、いずれにしろこれは前からそうなのですが、救急外来を受診すると結構お金かかるんですよ。日本はCT検査のハードルがすごく低いので、軽症でも念の為CTを撮ることがあります(それで思わぬ診断に至る場合もあるので、ここでその評価は避けますが、「こんなので救急車呼ぶなよ」と思うような軽症例でも「念の為CTを撮る」というような事態がわりと当たり前にあります。)
なので、現状に加えて、さらに救急車を有料化する意味ってあるのかしら、とやはり思ってしまいます。