Smoky life in Rochester

Rochester大学にポスドク留学中の日記。膠原病専門。

Posters

昨日は、久々にEastman Museumに行きました。2月から、60年代の映画ポスターの展示をやっており、これを見に来ました。ひたすら写真を貼ります。

真ん中と右端はポーランドのポスター。もはや抽象絵画

ゴダールの『カラビニエ』

有名なソール・バスの作品群。この人のデザインはワクワクします。

 

60年代は映画のみならず様々なアート/エンタメの世界で題材や形式の幅が広がった時期と言われています。アメリカでは黒人の問題を扱った作品や黒人の俳優が主役をはる娯楽作品が作られるようになり、また同性愛を題材にした映画も増えていきましたが、それと連動するように独創的なポスターデザインがつくられるようになりました。また旧共産圏では、53年にスターリンが死んでから雪解けを迎え、チェコ・ヌーヴェルバーグのような波も起きました。旧共産圏では映画産業は国家が運営するものであり、市場で競争する必要がないため、アメリカのように、スターの迫力あるイラストではなく、抽象画のようなそれ自体アーティスティックなポスターが多くつくられたということです。上にあるソール・バスは、ドイツのバウハウスソ連構成主義をうまく西欧のマーケットに持ち込んだ人、というふうに整理できるようです。

面白いのが、めっちゃ凝ったデザインのポスターの作者を見てみると、結構多くが「不明」となっていたことで、ここらへんも商業性と芸術性のちょうど中間に位置するポスターデザインというものの面白さですね。ところでポスター芸術の先駆者といえばミュシャですね!ミュシャが映画のポスターを描いたらどんな感じだろう、と想像するとワクワクしますね。

昨年の日本リウマチ学会(福岡)で、ほとんど会場に行かずミュシャ展を見に行っていたのは秘密です。